稽古の目的

 

 「大会」

当流の合気道では他の流派ではあまり見かけない試合が行われているため大会に向けた稽古を行っています。大会には北海道大会だけでなく年に一回、東京で行われる少年合気道大会、学生合気道選手権大会や全日本合気道選手権大会の全国大会もあり、全国から強豪が集まってきます。大会を通して自分の反省点を見つけられるので、それを克服するためにより厳しい稽古が必要となってきます。
 

 「護身」

 「合気道って何」と聞かれた際に一番わかりやすいのが身を守る技かと思います。それは何故でしょう? 稽古では様々な相手の攻撃を想定した技の習得の繰り返しで身体に覚え込ませます。それでいざという時に身体が動いてくれ自分又は家族等の身を守ることが出来るのだと思います。
試合のためという一つの目的に限らず合気道は様々な目的で始める方が多いため、激しい稽古だけではなく、護身の技の習得のための稽古も行っています。
 

「合気」 

  合気道の「合気」とは何か? と聞かれて説明が出来る合気道家は大勢居るかと思われますが、実際に体験させてくれる武道家は本当に少ないと思われます。
当流は合気道の試合化をしている数少ない流派ですが、試合は男女別でも体重別でもありません。大きい人も小さい人も軽い人も重い人も皆同じルールで戦います。
型試合(捕技乱取試合)でさえも小さい人が(軽い人)大きい人(重い人)を投げるのは大変です。まして自由乱取(綜合乱取試合)になれば尚の事でしょう。
 
そこで必要とされるのが武術的身体操法(身体の使い方)です。筋肉の力に頼っていたのでは“小よく大を制す”は不可能です。まして老人が若者を制すことは無理です。しかし古の時代には身体の小さな柔術(合気道を含め)の達人が数多く居たと聞いております。
それが合気道等の柔術にはその解決法が伝わっていたのです。その最たるものが「合気」かも知れません。
 筋肉の力に頼らない動きを身に付けるために「型」が必要となります。そして「師」の正しい教えが必要となります。
 
一つ一つの動きを今までとは違う方法で身体を動かす。とんでもなく難しい事を要求されます。始めは全く動けず途方に暮れてしまうことが何度も訪れます。そこで挫折してしまう方の何と多い事か。しかし諦めずに続けた方だけが次のステップに進めるのだと思います。
 
 当道場では「型」の修練と共に、「武術的身体操法」(身体の使い方)の稽古も同時進行で行っております。「型」は3才の子でも覚えます。しかし一度身に付けた身体の使い方を変えるのは大変です。そこで同じ目的を持った仲間が必要です。お互い信頼しあい真摯な「受け」を取ってもらうことで少しづつ上達していくことでしょう!